よく使うモノの歴史 その4
初期の電話は、多分にそれまでの電信のイメージを引き継いでいましたが、同時にラジオのイメージとも未分化でした。
たとえば、1881年のパリ国際電気博で最も人気を呼んだのはテアトロフォンと呼ばれる電話装置で、パリの有数な劇場での公演が実況中継されていたそうです。
続いて1890年代には、パリやロンドン、アメリカ各都市で劇場公演やコンサートの電話による中継が事業化されていきました。
これらの都市では、より広範な大衆を相手にするコイン式の電話装置も登場します。
人々は、有名ホテルのロビーや盛り場に設置された電話にコインを投下することで、受話器から流れる音楽や演劇を楽しんだのです。