よく使うモノの歴史 その7
今世紀初頭、電話網が膨大な端末を持つシステムとして整備されていくと、事業家は交換手の労働を最大限効率化し始めます。
とりわけここで生じたのが彼女たちの声の規格化でした。
産業はしだいに「電話らしい声」を定義し、そうした声を用いるよう交換手たちを指導していきました。
かつては「声の良い」交換手よりも「機転のきく」交換手が重要でした。
だが今や、産業は「良い声」を採用基準として用い、現場の交換手たちの「声」をチェックし、矯正するシステムも発達させていくのです。
こうして交換手たちの発話における人格的要素は最大限排除され、彼女たちはネットワーカーというよりも、一定の声のトーンで回線を接続する交換機械と化していったのでした。